“フジオカでよかった”を行動に—部署長たちが挑んだMVVアクションワークショップ

MVVをアクションに進化させる2日間

2025年4月16-17日の2日間、フジオカ本社の会議室にて各事業の部署長が集いました。
フジオカホールディングス設立に伴い、再定義されたフジオカの企業MVV(ミッション / ビジョン / バリュー)について理解を深め、次のアクションを創造するワークショップです。次のフジオカと長崎の未来を考え、創造する2日間のワークショップが始まりました。

なぜ今、企業MVVが大切なのか?
それは、今回のホールディングス化はフジオカの“第二の創業”とも言えるから。
この機会を新たなスタートと捉え、フジオカは企業MVV(=企業としての在り方・経営方針)を更新しました。

▼ミッション(お客様との約束事)
 心まで動かす、エネルギーになる

▼ビジョン(私たちはどんな会社を目指すのか?)
 「フジオカでよかった」を、今日もみんなで。

▼バリュー(ミッション・ビジョンを実現するために定義した私たちの働き方)
  〈個人バリュー〉 何事もおもしろく楽しく真剣に
  ・真剣にその仕事に取り組んでいるか?
  ・お客様はその仕事で喜んでくれているか?
  ・何より自分は楽しく仕事ができているか?
  〈チームバリュー〉みんなだからできる。みんなでするから良くなる。
   チーム6則 ①笑顔で挨拶 ②情報の共有 ③目標の共有
        ④役割分担 ⑤対話とコミュニケーション ⑥思いやりの気持ち

これらの方針は“宣言して終了”ではありません。社員が“体現”してこそ、成し遂げられるもの。
会の冒頭には代表取締役・藤岡氏も駆けつけました。

このMVVを伝書バトのように文字通り、そのまま部下に話してほしいわけではない。
自分の言葉と行動で伝えてほしい。
『フジオカでよかった』この言葉が増えてくれば、それはきっと良い会社であるという証拠だ

などの激励の言葉を残しました。部署長たちは「これから一体何が始まるんだろう?」という期待と不安の表情を見せながら、DAY1のプログラムに入っていきました。

【DAY1】ワークショップにあたっての“心と頭”のマインドセット

最初のプログラムは「なぜ企業がMVVをつくるのか」
その背景をマーケティングの歴史から読み解くインプットの時間に。

マーケティング1.0〜4.0における社会市場や人々が求める幸福感、価値、キーワードの変遷を辿り、そこから打ち出される企業の広告事例を学びました。

そして、現代のマーケティング5.0における「AI+人間中心の時代」では、企業の差別化・消費者の“共感”重視な選択基準・社会課題への貢献・人材獲得や社員のモチベーションなど、企業MVVが必要になった要因を多角的な観点から紐解きました。

今日これから取り組むワークに必要なウォーミングアップは完了。充分あたたまったところで、自社・フジオカへと意識を向けていきます。

【DAY1】フジオカMVVを自分ごと化する

いよいよワーク本題へ。

企業MVVを策定した後で陥りやすい問題・経営に潜む課題として、
「つくっただけでちゃんと覚えていない」
「誰がどんな意図でつくったのかわからない、誰にも触れられない」
といったことが挙げられます。

そんな事態を予防・解消するためにも、社員がこのMVVを“自分のもの”にしていくことがワークショップDAY1の大きな目的。この共通体験により、MVVはただ掲げている理念ではなく実感を伴うビジョンへと深まっていきます。

まず取り組んだのは、「心が動いた(フフフな)瞬間」の言語化。

自分の心が動いたのはどんな時?
誰かの心を動かした瞬間は?
プライベートでは何に感動する?
シンプルだけど、なかなか向けられることのない問いに、部署長たちは普段見せない悩ましい表情で取り組んでいました。

仕事の中では「あなたで良かった」という言葉をお客様から頂いた経験や予算達成した瞬間などが挙げられ、プライベートの中では子どもの成長、お花や釣りなどの趣味についてなど、その人の内面を映し出すさまざまな具体のエピソードが。

さらに、なぜ「あなたでよかった」と言われたのだろう?
私たちが「予算達成」すれば、お客様にとってどんな良いことがあるんだろう?
そんな言葉の背景にあるものを想像することで、いつの間にかMVVを自分なりの解釈で捉えられつつある変化が起きてきました。

【DAY1】MVVの言葉たちを読み解き、フジオカの未来をイメージ

次のワークは、MVVの中にあるフレーズ1つ1つの分解・読解に取り組みます。

「共感できる / 大切にしたい」フレーズ、「具体のアクション / サービスが想像できた」フレーズ、そして反対に「想像しづらかった / 分かりにくい」フレーズを選んでいきました。

印象的だったのは、同じフレーズであっても「共感できる」人と「想像しづらい」人がいたこと。そんな真逆の選択をするほど、部署や職種によって感覚はさまざまでした。

「地域社会に貢献します」と、いえども、いま行っている地域貢献事業はいつまでできるだろうか。「次代を見据えた」の前に、そもそも今の時代がどうなっていくのか読めない。

各々が挙げている想像しづらいフレーズには、フジオカがこれから向き合っていかなければならない課題が潜んでいるようでした。

ワークを通してMVVを自分ごと化させ、言葉1つ1つの意味を吟味しながら、部署長たちはフジオカの未来に目を向けていきます。

【DAY1】フジオカらしさってなんだろう?

DAY1最後のワークは、少し違った新鮮な角度から。テーブルには動物と形容詞の一覧表があります。
これらを参考にしながら、As Is(現在)のフジオカらしさと、To Be(理想)のフジオカらしさを表現してみるというワーク内容です。

個人が考えるフジオカらしさのイメージを持ち寄り、擦り合わせていく作業を始めていけば、部署によってカラーが異なる傾向が見えてきました。
あるチームからは、多様性のある「カメレオン(現在)」から社交的で愛される「パンダ(理想)」になりたいという意見が。また、あるチームからは、部署ごとに独自の仲間意識がある「猫(現在)」から力強く組織的である「ライオン(理想)」へなるべきだという提案が出るなど、個性的な発想と視点にあふれていました。

不思議とどことなく各チームの意見に共通していたことは、“部署間にどこか壁がある”現状から、“どっしり構えながら垣根を超えて一致団結していきたい”という思い。1人1人の意識が未来へ向いているようでした。

ワークショップでMVVを深く読み込み、フジオカの未来をイメージした部署長たち。最後まで楽しそうな雰囲気でDAY1を終えました。

【DAY2】MVVを有言実行するフジオカになるための1日

DAY2のメインテーマは“アクション”。
MVVと連動した組織・個人の「MVVアクション」を考えていきます。

MVVアクションはなぜ重要か? その答えはシンプルです。“有言実行”、この言葉に尽きるから。

社外と社内、どちらのブランディングのあり方にも大きく関わってきます。事例を交えながらアクションのイメージを膨らませていきました。

また、今回のワークをする上で大切なマインドは“バックキャスティング型の発想”。将来のあるべき姿をまず考え、そこから現状何をするのかを組み立てていく未来志向のアプローチです。

【DAY2】長崎の未来を想像 / 創造する

DAY2最初のワークでは「Future Facts」というツールを活用しました。
この分厚い束状のカラフルなカードツールには、調査データとシミュレーションに基づいた2030年から2050年に日本で起こりうる社会変化、そして将来生まれる可能性がある課題や出来事が書かれています。

まずは個人で長崎の未来の兆しをシミュレーション。黙々とカードを1枚ずつ吟味する部署長たちは、難しい表情で熟考していました。

グループディスカッションでは、最近目撃したシーンや日常で感じている問題点を例に出しながら、長崎の未来と課題について活発な議論が飛び交います。

最終的に、チームで1つの兆し・課題を選択し、フジオカとして提供できる解決方法(サービス)を考案。長崎の未来を想像するワークを通して、ビジネスアイデアの創造までコマを進めていきました。

例えば、バスなどの公共交通機関の減少や家から出ない高齢者が増えるという問題点を指摘したチームは、解決策としてライドシェアの導入やバイク便の活用、タクシー会社との連携、外回りする部署による高齢者の移動支援などを提案し、移動手段のサブスクの可能性を探りました。

他にも、地方の過疎化に着目し、教育格差や若者の人口流出、それによる活気の低下といった問題点を指摘したチームからは、子ども向けの職業体験イベントを開催してはどうかというアイデアも。

最終的には、全員投票で一番良い企画を決定。投票の結果、Bチームの空き地を利用した多世代型シェアハウス「プチふじの丘」のプランが最多数を獲得しました……!

部署間の壁を超えた疑問や視点を入れながら、感じ取った未来の兆しに対する新しいサービスの共創が行われるワークとなりました。

【DAY2】フラットな対話で築く、理想的な組織の姿

長崎の未来の兆しをとらえた後は、フジオカの組織としての未来のあり方を再構築するワークへ。未来志向のバックキャスティング型発想のまま、社内に向けたアクションを導き出していきます。

模造紙とふせんを用いながら、丸い枠の中に組織の「過去(やめるべきこと)」と「未来(取り入れるべきこと)」を出し、そしてその円が重なる部分に「現在(強化・維持すべきこと)」をグループワークで書き入れていきました。

2日間のワークショップもいよいよ終盤。テーブルごとの雰囲気はいつまでも笑顔にあふれ、最後まで真剣な表情でワークに夢中な様子でした。

アイデア共有の場では、全員でホワイトボードの前に集まってプレゼンテーション形式に。立ち見も地べたもお構いなしに、発表者を取り囲んでプレゼンに聴き入りました。

発表内容に対してのラフな質疑応答や、現状の事業内容を確認し合うインタラクティブなやり取りは、まさに部署の垣根を超えたセッション。フラットな対話の場だからこそ、お互いを知る・意見を受け入れられる関係性が生まれ、フジオカの未来の可能性が開かれていく兆しに満ちていました。

【DAY2】社員個人が考えるマイアクション。あなたは今日から何をする?

DAY2の最後のプログラムは、個人個人が取り組むMVVアクションを宣言する”決意表明”です。

自分がつくり出したい「心が動く(フフフな)瞬間」、大切にしたい「マイバリュー(行動指針)」、そして今日からできる「マイアクション」。自身の胸に問い、考え悩むことを諦めずにペンを走らせる姿が印象的でした。

田坂さん(石油事業部 セルフ女の都SS所長)
「楽しく、真剣に」。すごく難しいことだけど、スタッフには何か目標を持ってもらいたいなと。数値の目標ではなく、人間としてどう成長したいのか、どうやってこのスタンドに貢献したいのかを明確にしていきたいと思います。

山川さん(石油事業部 カーライフ課 副部長
今からすぐやれることとして、「情報の共有」を実践していきます。メールひとつ取っても、ちゃんと社内に部署の状況を共有していくことによって幅を広げていくことができると思います。

岡村さん(石油事業部 馬町SS所長)
スタッフ全員と笑い合える会話を1日1回はやってみます。冗談も交えながらスタンドの雰囲気を良くしていきたいですね。

2日間の濃厚なワークショップを通して、MVVを語るだけでなく「じゃあ自分には何ができるのか?」という実行への意識変化が芽生えた部署長たち。

今後、仕事をする上で、もし迷ったことがあったとしても、この2日間で言語化したこと・対話したことに立ち返り、フジオカのリーダーたちは有言実行しながら新しい未来を進んでいきます。

WS実施後のふりかえりインタビュー 【社員の言葉で語る“手応え”】

DAY1・DAY2それぞれのワークショップ終了後に、社員インタビューを実施しました。どんなことを感じ、何を得たのでしょうか。

町田さん(総務部 部長)
部署ごとも一人一人の考え方もこれだけ違うのに、こうして企業として成り立っているのは改めてすごいことだなというか、不思議に感じました。いつも寡黙な人がすごく積極的な意見を持っていたりとか、当たり前ですけど見た目じゃ分からないですよね。言葉にしていかないと。ただ、大きなゴールに向かうベクトルはみな同じなので、もっと共通認識が増えてくれば、組織としての強さに繋がっていくような手応えを感じました。

池内さん(経営企画部 課長)
ほとんど全員がちゃんとコミュニケーションを取れますし、話し合いの場を回せる人が多いのはうちの強みだなと再認識しましたね。私が担当する採用・人事としてもこのMVVはすごく重要。これからの採用のあり方や社員のモチベーションにも関わってくるので、まさに転換期だと思っています。職場環境の改善はだいぶ進んできたので、次の段階に来たのかなと。MVVに基づいたポジティブな社員満足度・環境整備が目下取り組むべきことだと感じています。

橋口さん(石油事業部 営業課 次長)
2日間連続で4時間会議室にこもるなんて、20代の時以来でしたね……! とにかく初めての経験で好奇心もありつつ、意見交換をしてみれば他の部署からは全然畑違いなアイデアも出てきたりと、全体的にすごく勉強になりました。疲労感と有益さ、どちらもありましたね(笑)。「みんなだからできる。みんなでするから良くなる」を指針にして、対話とコミュニケーションを大切にしていきたいです。

岩村さん(福祉事業部・経営企画部 部長)
ワークショップを通して、徐々に自分が取るべき具体的な行動が見えてきた感覚があります。部署を超えての研修というものがあまりないので、この2日間で会社の未来について、みんなが自然体で話し合いをしていてとても有意義な時間でした。様々な案を体現し、フジオカをより良くしていくために、まずは年齢・部署・役職を超えて、もっと自分からコミュニケーションを取りに行くことを実践していきたいです。

また、今回は経験豊富な部署長向けでしたが、次回6月に行われる若手社員向けMVVワークショップは果たしてどうか、期待が寄せられています。また違った雰囲気になり、出てくる意見も新鮮で新しい気付きが隠れているかもしれません。
フジオカは全社でこのMVVアクションに取り組んでいく姿勢を大切にします。

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